BLACK UNIVERSE_4

各話セリフ/意訳

Part.4

ひょこっ

（あれ、どこ行ったんだろ。）

「ったく、あんなアホみたいに投げるやつがどこにいんのよ。」

「私は運命に従ってボールを投げただけです。」

「ドッジボールにも運命があるんだ？」

「そうですね。」

「スルビ様は今日の運気が悪かったのであのボールに当たったのです。」

「あれはただ、あんたが私にボールを投げただけでしょうが。」

「違います。運命なのです。」

きっ ぱり！

（友達できたんだ･･･）

「･･････。」

ぼーっ...

（いい天気だなぁ･･･）

「...サボろっかな。」

コン

「？」

「どうしたんだ、教室にいるなんて。」

「ここ何週間かヘジンという子に付き纏っていただろう。」

「君にはなんの関係も...」

「心配だからだ。」

「俺が？」

「いや。その子が。」

「幼馴染みとはいえ、おまえをストーカーとして通報するところだった。」

「ひどいな～」

「･･･検査の結果出たんだろ。どうだ？」

「別に･･･ 精密検査が必要らしいけど。」

「心配いらないよ。」

「ただ検査するだけだし。」

「･･･」

「そんな深刻そうな顔すんなって！」

バシ ンッ

「痛ッ」

「ま、臓器移植もしたんだし、それ以上の手術でも受けるさ！」

「前向きにいこうぜ、前向きに！」

「チャイムも鳴るし！そろそろ行くから！」

「先生には具合が悪くて保健室に行ったって伝えといて！」

「･･･」

「･･････ああ。」

「俺にできることがあったらいつでも言えよ。」

「おう！」

「で･･･」

「つまり、」

「依頼者くんが好きな女子生徒が」

「依頼者くんを好きになってくれなくて不幸だと...」

「こういう話？」

「はい。」

「1年以上努力しましたが、どうやら僕の本心が伝わらないみたいで。」

くっ!

「でしたら、そろそろ諦めませんと･･･」

「そうはいきません！」

バン！

「彼女と僕は運命なんです！」

「入学式で ひと目見た瞬間、」

「彼女こそが僕の運命の人なんだと感じたんです。」

「どんなとこが？」

「見た目でしょうね。」

「そこで、毎週月曜日の朝に花を届けました。」

「また?」

「何かが欲しいとSNSに書いてあればそれを贈ってあげたし、」

イヤホン...

「夜間自律学習を終えた後の帰り道を心配して、」 *1

「毎晩ないしょで後ろから見守ってあげてたのに...」

「ストーカーだ。」

「ストーカーですね。」

これ以上お聞きする必要あります？

「それなのに！」

「ううっ」

がっくり

（急にテンション下がった...）

「そもそも僕の計画は、足長おじさんみたいに好感度を上げて、」

「後からその惜しみない愛を注いだのは僕なんだと明かす予定だったのに...」

「だったのに？」

「体育の時間にプレゼントを置きに行って、」

「あっ」

「彼女の席にこっそり座ってるところを、うっかり･･･」

「･･･」

「･･････。」

「それ以来、彼女が僕を虫を見るような目で見るんですよ。」

「あ、それです。そんな目で！」

「･･････。」

「それは当然でしょう。」

「え？」

「そうだね。これが本物のストーカーなんだね。」

「えっ？」

「君はどう考える？」

「はい？」

「どう考えても･･･ あれは犯罪ではないですか。」

「警察に通報されてもおかしくないと思いますけど。」

「その子が一年の間どれほど気苦労が絶えなかったか･･･」

「そうだね。」

「今回は彼の"不幸"じゃなく、彼女の"不幸"をなくしてあげるんだ。」

「ああいう手合いの特徴は、他者を「選択権を持った存在」として見ないことだよ。」

「自分がその気なんだからと、頭ごなしに相手も好意を受け入れるべきだと考えるんだ。」

「なぜか。ゲームなんかじゃ一定回数以上に出会いを続けてプレゼントをすると」

「必然的に好感度が上がって100%恋愛に成功するよね？」

「努力さえすれば“ご褒美"に恋人が手に入るものと思ってるんだろうな。」

僕はなんて不幸なんだ～

「では、どうします？ あの方の行動を見るかぎり、話を聞いてはくれなそうですが。」

「百聞は一見に如かず...」

「話の通じない相手でも、実際に自分でその状況を経験すれば分かるだろう。」

「望まぬ相手から心を込めた告白をされる状況を作り」

「告白する側が”本気”だとしても」

「相手が必ずしもそれを受け入れるわけではないという現実を教えるべきなんだ。」

ドキ

ドキ

ドキ

ドキ

「あの･･･手紙もらったよね？」

「君が好きだ。付き合おう。」

「俺と付き合わないなら殺し...... いや、死んでやる。」

「これは俺の心を込めたプレゼントだ。」

「あ...ありがと...」

「･･･いいのですか？ あんなことさせて。」

「大丈夫。」

「できることがあったらいつでも言えって言ってたから。」

「･･･」

「それに本当に付き合うわけないし、どうせ断られるんだし･･･」

「いいですよ。」

ゴン

「？」

ゴン

「？」

？？！！？！！？

ゴーーン

リン ゴーン リーン ゴーン ───･･･

「どうして僕を呼んだんです？」

「もしかして、あの子の気持ちを変える妙案でも思いついたんですか！」

ドン！

「いや... あの...」

「君、最近告白されたんじゃない？」

「...？」

「ああ。はい。ある先輩から...」

「でも、どうして知ってるんですか？」

「あ、えっと...！ 実は通りすがりに見かけてね！」

「ほんと偶然だよね！」

あはは！

「でも、好きな子がいるって断るかと思ったのに」

「その... OKしたみたいだったからさ！」

「どうしてかなって...」

「実は、」

「あの子には...」

「好きな人がいるんです。」

「？」

「入学式の日に出会った2年の先輩に恋したんだそうです。」

「もしかして...」

「はい。」

「僕に告白してきた先輩です。」

「最初は僕もかなり戸惑いました。」

「そうでなくてもいつも気にしてた人だったのに。」

「僕を好きだなんて夢にも思わなかったので。」

「あの子がいつその先輩に告白して付き合うか不安だったんですが、」

「上辺だけでも僕と付き合ってることにできてよかったです。」

「これでもうあの子が告白しても、先輩がOKすることは100%ないんですから！」

「その間に僕は！」

「あの子を振り向かせる素敵なイベントを用意して、改めて正式にプロポーズするつもりです！」

「愛を込めて！」

「じゃあ、スンファ... いや、」

「その先輩のことは？」

「それは...」

「僕の知ったことじゃないですね。」

「適当に付き合って別れればいいだけです。」

「え、どうしたんですか、そんな顔して！」

「どこか痛いんですか？」

「保健室まで連れて行きましょうか？」